もうすぐGolf7が日本で販売開始、今は前夜祭的な感じ

すでにGolf7の情報はかなりの露出があり、その装備と価格にビックリしたのだが少し落ち着いて来たので改めて見てみようと思う。

まず日本での発売は2013年6月25日で現在は予約受付中というステータスだ。まず大きく従来と異なるのはシャーシが一新されたこと。Golf5から使用しているシャーシから新設計の「MQB」と呼ばれるシャーシに一新したことだ。この「MQB」はモジュール形式になっておりポロからパサートまでモジュールを組み合わせることにより作ることができる。VWでは上級車の技術をGolfに適用することができるとのことだが、共通シャーシの適用範囲を広げたということなのだろう。もちろんGolf7だけではペイしないだろうが適用車種が増えるに従いコスト低減にも寄与する。資金力のあるVWらしいやり方だと思う。こうした新しいシャーシを使用したGolf7の乗り味はどうのようなものなのだろう。

今回の日本導入にあたって非常に戦略的な価格を設定している。ヨーロッパでもそうだがこのクラスの競争は非常に激しく価格はもちろん性能や環境性能まで総合力を比較される。ここ最近のボルボの躍進の原動力となったV40なんかがそのライバルである。
そのなかで伍していくにはまず顧客に強烈にアピールする武器が必要だ。それは安全性能であり燃費性能だ。

↑ Golf7トレンドライン、こうしてみると先代モデルと違いがはっきりとは判らない、まったく普通の車で華がないように思える、一番安いモデルだがもう少し華を持たせることも必要なのではなかろうか、画像はネット上から拝借


ここでスペックを見てみよう。
○Volkswagen Golf TSI Trendline / Volkswagen Golf TSI Confortline
ボディサイズ:4,265×1800×1,460mm
ホイールベース:2,635 mm
重量:1,240kg
エンジン:1,197cc直列4気筒直噴ターボ
最高出力:105馬力/4,500-5,500回転
最大トルク:175Nm/1,400-4,000回転
ミッション:7段DSG 
駆動方式:FF
タイヤ:トレンドライン195/65R15
    コンフォートライン205/55R16
燃費JC08モード:21.0km/L
価格:トレンドライン249万円
   コンフォートライン269万円


↑ Golf7コンフォートライン、後ろから見ると先代モデルよりも角が立つデザインだ、リアバンパー辺りが少し重い印象、太いCピラーはGolf代々のアイデンティティーなのだろう、画像はネット上から拝借


○Volkswagen Golf TSI Highline
重量:1,320 kg
エンジン:1,395cc直列4気筒直噴ターボ
最高出力:140馬力/4,500-6,000回転
最大トルク:250Nm/1,500-3,500回転
ミッション:7段DSG
タイヤ:225/45R17
燃費JC08モード:19.9km/L
価格:299万円

スペックを見て気になるのが幅だ、ついにゴルフも1800mmになってしまった。随分と大きく立派になったものだ。現在のポロが出た時にGolf1の後継はポロと言われたのはこのためだ。このボディーサイズのため軽量化に励んだようだが絶対値は結構な重さとなっている。

↑ Golf7ハイライン、ホイールが少し大径になってコンフォートラインよりはカッコは良くなってきた、なんだかときめかないデザインだが質実剛健というイメージもない少々中途半端な気がする、かなり売れるだろうがどのくらい売れるのだろう、画像はネット上から拝借


これからが重要なポイントだがこのGolf7に組み込まれている最新テクノロジーが凄い。
まず安全装備から見てみよう。
横滑り防止装置ESP、フロントエアバッグ(運転席/助手席)、ニーエアバッグ、サイドエアバッグ(前席/後席)、カーテンエアバッグ、「Front Assist Plus」(スバルのアイサイトのようなモノ)、シティエマージェンシーブレーキ(UP!で話題になったモノ)、「プロアクティブ・オキュパント・プロテクション」(事故ると判断した場合にシートベルトを巻き上げウィンドウを閉める)、「マルチコリジョンブレーキシステム」事故った時に2次衝突を回避するため10km/hまで減速させる、「Fatigue Detection System」(ようするに居眠り防止システム)、「ACC」アクティブクルーズコントロール(車間距離の維持)、「Lane Assist」(車線逸脱をしそうな時にステアリングに介入)
これだけの安全装備が導入されているわけである。よく見るとカブっているものもあるがよくもこれだけ装備したものだ。ボルボのような歩行者保護の装置は無い。

燃費に関してもJC08モードで約20km/Lなので大したものだ。ただしご多分に漏れずハイオクガソリン仕様なので金額換算ではビックリする数値ではない。思えば輸入車でレギュラーガソリンを利用できる車はほとんど見たことが無い。
エンジンはヨーロッパでは「Polo Blue GT」で採用済みの気筒休止システムが1.4Lモデル(ハイライン)に採用されている。このおかげで1.2Lモデルに対して遜色のない燃費をたたき出している。

気になるデザインだが個人的には超保守的だなぁと感じる。あまり変わらないことを美学にしているようだが、これだけデザインが意図的に変わらないと離れる顧客も多いのではないだろうか。車にそれほどこだわりが無く、実用的で良いモノ感を求める層には大いに受けると思う。

最後にドライバビリティーはどうだろう、少しは面白味のあるハンドリングに進化したのだろうか。個人的にはGolf5 GTI Pirreliというモデルに乗っていたころがあるが、準直線番長でありアールの大きなコーナーは得意だったが小さなコーナーは苦手としていたものだ。
しかしGolfに乗ると感じる安心感や安定感は大したもので、このサイズの他の車からは決して感じることが無かった感覚だった。それもやみくもに剛性感があるとか堅いとかというモノではなかったから絶妙な味付けなのは間違いない。

いずれにしてもかなり良く作りこまれた高品質な車ということは間違いない。キチっとした車が好きな多くの日本人の感性を良く突いていると思うのだ。ただ心躍るということが感じられないのは少し残念な気がする。


20130530追記
リアサス形式
ハイライン:マルチリンク式
その他:トーションビーム式
今日はこのへんで

では


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