キャディラックに驚いた「ATS」、そのパフォーマンス・安全装備

古い認識を捨てなければならない、特にアメ車に関してだ。

今回安全装備に関して調べているとキャディラックの安全装備が充実しているのにびっくりした。さらに車自体を調べてみるとパフォーマンスも大したものだ。

一昔前(これ自体が古い人間です・・・)アメ車はパワーだけの直線番長だというイメージがタップリあって、曲がることが好きな人達には人気はイマイチ。それがいつからか、コルベットのZRが出た頃だろうか、曲がる事も得意な車に変化してきていた。それから着実に進化を遂げているという訳だ。

↑ キャディラック「ATS」のサイドの画像、横から見るとごく普通のセダン、日本では使いやすいディメンジョンでクラウンくらいの大きさ、Premiumは18インチの鍛造アルミホイールを履く、各部は昨今の最新のトレンドだ、画像はメーカーサイトより拝借


一方で日本でのアメ車の販売網はかなり貧弱で、私のような車好きでもなかなかお目にかかる機会が少ない。つまり販売店が少ないことから実車に触れる機会が少ないということだ。欧州車はメルセデス・BMW・AUDI・VW・ポルシェ・FIAT・ALFA・シトロエン・プジョー・ルノー等々の販売店へはもちろん足を運んだことがある。一方、今まで行った事のあるアメ車ディーラーと言えばフォードくらいである。
これくらい触れる機会の少ない車達なのだ。現在アメリカはTTPでアメ車が売れないのは、軽自動車が車の実質関税障壁ではないかと騒いでいるが、問題が全く異なると思う。一般人のアメ車に触れる機会が圧倒的に少ないというのが一番の原因だと思う。さらに日本人のアメ車へのイメージとしてデカい・燃費悪い・大味・壊れやすいということが定着しているためだ。

↑ キャディラック「ATS」のフロント画像、好き嫌いが分かれるデザインだ、あまり高級感もスポーティーさも感じないがその普通さが良いかも、これでニュルを8分そこそこで走れる車だとはあまり感じないところが良い、画像はメーカーサイトより拝借


しかし、世界経済は着実に変化していて、今やクライスラーはFIAT傘下だし、資本のグローバル化が進んでいるのも事実だ。つまりアメ車の欧州車化が進んでいて、一昔前のアメ車がアメ車でなくなっているということなのだ。

↑ キャディラック「ATS」Premiumのフロントホイール、18インチだが鍛造ということだ、鍛造を強調するところが素晴らしい、フロントはブレンボのモノブロックキャリパー、随所にええモノ感が溢れる、画像はメーカーサイトより拝借


今日の本題に戻るとキャディラックの各車種を調べていてびっくりしたことがある。まずその安全装備の充実度だ。その内容をキャディラックATSを例に簡単に上げてみよう。

○「セーフティ・アラート・ドライバーシート(SADS:警告振動機能)」
センサーが感知した危険をシートの振動でドライバーに警告する乗用車初のシステム。シートクッションの左右に内蔵されたバイブレーターが警告の種類に応じて、左右別々、または同時に振動する。

○「サイド・ブラインドゾーン・アラート」
死角となる位置に他車が走行している場合、それを警告するシステム。ドアミラーにサインが表示され、必要に応じて警告灯が点滅する。

○「レーン・ディパーチヤー・ウォーニング(LDW:車線逸脱警告機能)」
ドライバーがウインカーを作動させずにレーンを外れると、セーフティ アラート ドライバーシートで警告するシステム。およそ56km/h以上で作動する。

○「リア クロス トラフィック アラート(後進時安全確認警告機能)」
後方の車両や人の存在を警告する機能。たとえば、駐車スペースでバックしている時に後方を横切る車両が近づいてきた場合、レーダーが検知し、セーフティ アラート ドライバーシートの振動で警告し30mまで検知可能。

○「オートマチック ブレーキ(追突被害軽減ブレーキ)」
ショートレンジ・レーダーと超音波センサーが、低速走行時における衝突の危険を感知。まずはセーフティ アラート ドライバーシートで警告し、必要な場合には自動的にブレーキで制動するシステム。時速8km以下で、約3mの範囲で障害物を検知して警告音を発する「フロント&リア・パーキングアシスト」と連動して機能する。

○「アダプティブ・クルーズ・コントロール(全車速追従機能)」
レーダーで前走車との距離を保ちつつ、追従走行してくれるもの。加速・減速はもちろん、完全停車までカバー。

※「キャデラックATS/SRX」は、自車のまわりを長短距離用2種類のレーダーと前後のカメラで監視、短距離は超音波センサーを用いるのがハードウエア面での特徴だ。

↑ キャディラック「ATS」の安全装備の解説、最新の安全装備が満載であり尚且つ高レベルな装備だ、これが装備されてこの価格なら非常に安いと思うのだがどうだろう?、画像はメーカーサイトより拝借


安全装備も欧州勢に引けを取らない内容であるが、さらにもっと凄いのは走りの性能をアピールしていることだ。それもかなりのレベルに達しているのではないか?

ATS(Premium)のスペック
全長(mm):4,680
全幅(mm):1,805
全高(mm):1,415
ホイールベース(mm):2,775
車両重量(kg):1,580
エンジン:1,998cc直列4気筒DOHC(インタークーラー/ターボチャージャー付)
最高出力:276馬力/5,500回転
最大トルク:35.9kg・m/rpm(1,700-5,500)
燃料消費率:約12.2km/L
ミッション:6AT
駆動方式:FR
さらにLSD、ブレンボブレーキキャリパー、鍛造アルミホイール
前後の重量配分は50:50らしい
ちなみに価格はPremium4,990,000円、Luxury4,390,000円


2Lとしてはハイチューンなターボエンジン、燃費もまずまず、車重も軽い、走りの装備も抜かりなしという感じだろうか。実際乗ってみないとなんとも言えないが、かなり期待できるような気がする。しかも価格が安い、この価格だとドイツ車なら装備からいうとワンランク下のモデルしか買えない。コストパフォーマンスは抜群だ。
しかし残念なことに左ハンドルのみ、こういうところに本気度が現れるのではないだろうか。それを消費者は敏感に感じ取ってしまう。参入障壁うんぬんと言う前にこういったところを改善するべきだ。モノは良さそうなのに残念、今後に期待である。


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ブルーのイメージ、Volvo 「S60 Polestar」

日本においてボルボは良く知っているがPolestarは聞き慣れない、これはボルボにとってはレーシングパートナーである企業の名称だということだ。

メルセデスのAMG、BMWのMスポーツ、トヨタのTRD、ニッサンのNISMO、スバルのSTIといったところだろう。このPolestarは日本では全く無名だが、なかなか渋い仕事をする。一時期はプロトタイプの馬力が500馬力を超えていてびっくりしたのだが、350馬力に落ち着いて常識的なハイパワーマシンになっている。それも今時貴重な直列6気筒エンジンだ。

高性能な車だが外観は非常にオーソドックスというかコンサバで落ち着いた感じ。これみよがしなエアロもないし、主張しているのはボディーカラーと小さなブルーのエンブレムだけというところに非常に痺れる。

スペックは次の通り

出力:3.0L6気筒ターボ350馬力
トルク:51.0kg-m
0-100km/h:4.9秒
ミッション:6速オートマティック
最高速:250km/h(リミッター作動)
タイヤ:235/40R19ミシュラン・パイロット・スーパースポーツ
駆動方式:4WD
足廻り:オーリンズ

2013年6月からオーストラリアで販売開始予定



↑ Volvo 「S60 Polestar」のフロント画像、全く高性能を感じさせないデザイン、ごくごく普通のセダンだ、全体的に渋いデザインで好感が持てる、画像はネット上から拝借


↑ Volvo 「S60 Polestar」、リア周りも控えめだ、左右振り分けのエギゾーストとデフューザーが目立つ程度だがこれまた控えめ、トランクスポイラーもリップ程度だ、画像はネット上から拝借


↑ Volvo 「S60 Polestar」、ブレーキ周りは本物の高性能を感じさせる、モノブロックキャリパーにドリルドディスク、そのサイズはフロントが336x29mm、リアが302x22mm、画像はネット上から拝借


↑ Volvo 「S60 Polestar」、ブルーの小さなエンブレムが高性能を主張する、なんだかメーカーのキャッチコピーみたいになってしまったがクリーンなイメージの高性能をうまく表現できているのではないだろうか、画像はネット上から拝借


個人的にはフレンチブルーに近い色だと思うのだが、この鮮やかなブルーに参った。
かなり以前からボルボはこの色を高性能車に使用している、ボルボの高性能車のトレードマークだ。
日本に入ってくるのかどうか気になるところ、勿論価格も気になる。


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VW「シロッコ」、スペシャリティーカーってジャンル


VWのシロッコに新グレードができたというニュースを見て思った事。

VWのシロッコという車は結構歴史があって、そのルーツは結構古い車なのだ。初代のシロッコはwikiで調べてみると1974年にゴルフ1に先駆けて発売されたということだ。ベースはゴルフ1なのに先駆けて発売というところにVWの気合を感じる(実はゴルフ1がシロッコベースなのか?)。

↑ VW「シロッコ1」、シロッコは3世代ありこれは1代目、現在は3代目、ジウジアーロによるシンプルでクリーンなデザインだ、当時は大変斬新なデザインでスペシャリティー度は抜群だった、画像はネット上から拝借


個人的にシロッコに良く触れていたのは80年代で2代目シロッコだと記憶しているが、ゴルフとは異なりなんだかスペシャルな感じがしたものだ。
当時からゴルフ(ゴルフ1だった)は実用的でトランクも広く、若者4人が乗って旅行に行っても十分な広さを持っていたのを体感したものだ。
これに対してシロッコは非日常な感じのする車で、ゴルフと比較すると正反対の性格だった。同じシャーシを使っているとは思えないほど異なる印象を受けたのを覚えている。

↑ 現在のVWの「シロッコ」、フェンダーが張り出して幅広のアグレッシブなデザインだ、低く幅広く安定感のあるデザイン、3ドアのスペシャリティー的なデザインだ、画像はネット上から拝借


シロッコのデザインはジウジアーロが担当して、当時としてはかなり先進的なデザインであった。日本では販売台数が少ないこともありスペシャルな印象をさらに助長していた。実際には3ドアハッチバックではあるが実用性は高く、2人までの利用なら日常使いにも耐えられる実用性を兼ね備えていた。しかし、動力性能はゴルフに比較してチューニング度合いが高いということは無いので特筆すべきところは無かった。

↑ 現在のVWの「シロッコ」、今回は新グレード「R-Line Dynamisch(Rライン ディナミッシュ)」が新設された、エアロパーツと18インチホイール、「DCC(アダプティブシャシーコントロール)」(ダンパー減衰力や電動パワーステアリングの特性をコントロールする)、「XDS」(電子制御式ディファレンシャルロック)が装備された、画像はネット上から拝借


こうしてみるとVWの「シロッコ」はカッコだけの中途半端な存在で、この存在意義がどのようなものなのか?という部分には疑問が残る。実用車でもなくスポーツカーでもなくスペシャルなスペシャリティーカーなのだ。これは不思議なことに現代でも受け継がれていてゴルフに対しての立ち位置が良く分からない車となっている。
しかし、立ち位置が分からないからと言っても個人的には嫌いなわけではない。ゴルフとの比較となるが、無駄とも思える抑揚の付いた凝ったデザイン(カッコは良い)、無駄とも思える内装へのこだわり(その割にはインパネはゴルフと同じ)、その結果かなりの高額車となってしまっている事が特徴と言えば特徴だ。

思うにVWのほうがこの車に何か意味付けをしているのだろうと思う。セールスをそれほどそれほど期待できない車だが、それ以外の何かをこの車に意味付けているのだろう。それがどういうことなのかを聞いてみたい気がする。

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2014 New AUDI 「S3」

2014 New AUDI 「S3」はヨーロッパではすでに試乗記が出ている。

今回は画像を中心に紹介しよう。画像は全てインターネット上から拝借。
ちなみにスペックは次の通り

新設計の2.0TFSIエンジン
最高出力:296bhp/6000rpm
最大トルク:38.7kg-m/1800-5500rpm
0-100km/h:4.8秒
燃費:6.9L/100km(約14km/L)
最高速度:250km/h

新設計のハルデックス方式クワトロシステム
7.5インチ幅の18インチ・アルミホイール
タイヤ225/40R18
A3から25mmローダウン
旧S3から60kg軽量化されたボディ















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WRC VW絶好調「ポロR」

WRCでVWが好調だ、第4戦ポルトガルでも1位と3位に入った。

これで4戦中3勝となり圧倒的な強さだ。
先シーズンからWRC用のポロRを盛んにテストしていたのが報道されていたが、実戦でも素晴らしい活躍を見せている。

↑ VWのWRCマシン「ポロR」、速そうな外観だ、これで4戦中3勝となり、このまま突き進むのか?、画像はメーカーサイトより拝借


ドライバーのオジェにしてもラトバラにしても、いずれも引けを取らぬ速いドライバーなのは間違いない。
彼らがここまで速いのはやはり車の仕上がりが良いということなのだろう。ローブのような天才肌のドライバーではないが今季は安定した成績を二人揃って叩き出している。

日本でのVWの競技におけるイメージはそれほど強烈なモノは無い、というか全く無い。
消費者としてもそこそこスポーティではあるが、コンペティティブではないと思うだ。実際に乗ってみても車としては非常によく出来ているが、あまり面白くないと言うのが個人的な本音だ。

日本におけるVWのイメージとしてはシトロエンやスバルのようにWRCで大活躍という事もないし、メルセデス•BMW•AUDIのようにDTMのイメージも無くスポーツしていない。IRC(インターコンチネンタルラリー)では結構出場しているようだが、いかんせん日本での露出が少ない。
他の輸入車勢を見てみると、最近では国内のスーパーGTにもフェラーリ•ランボルギーニ•BMW・AUDI等の外車勢も参入してスポーティイメージを作るべく努力をしていて、こちらはスポーツしているのである。

さらに身近な事として車自体もチューニングのベースとすることが少ない。勿論、本国(ドイツ)ではポロやゴルフをベースとしたレースは沢山あるだろうし、パーツも豊富にあるのだが日本では全く見たことが無い。どちらかと言うとドレスアップが主体の車になっている。

個人的には、その車のコンペティティブさというのは、外品のLSDがラインナップされているかどうか?だと思っている。VW各車種用のLSDもクワイフ等から出ているのは出ているが、全く一般的ではないし、扱っているショップも非常に少ない。

↑ クワイフのLSD説明の図、日本ではあまり見かけないメーカーだがヨーロッパでは有名、画像はメーカーカタログPDFより拝借


せっかく好調な日本市場、もっと評判を上げるためにはスポーティーな演出が必要なのではないだろうか。それでもっともっと楽しい車になっていけばより受け入れられるようになるだろうと思う。

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今さらながらのクロスオーバー考 その2

クロスオーバーのお話の続きである。

前回はクロカン四駆からクロスオーバーに至る流れでのお話しであったが、これとは異なる流れもある。
それはワゴンからの流れで、最初は国産で言えばスバルのレガシーランカスターあたり、輸入車ではAUDIのオールロードクアトロあたりだと思う。

↑ スバルのレオーネ、バンからワゴンへの転換点だった、まだまだこの時点ではクロスオーバーではないがマイルストーンとしては重要なモデルだと思う、画像はネット上から拝借


これらはワゴンボディーからの派生であり、駆動方式はもちろん四駆だ。通常のワゴンボディーの車高を少しだけアップして最低地上高を稼いだモデルとなっている。ボディーの装飾としてフェンダーや前後バンパーをプラスティック素地として、アウトドアのワイルドな雰囲気を出していることが多い。
実際にこのタイプの車が舗装路以外で役に立つのかと言うと、多少の不整地等をクリアできる程度というのが正直なところであろう。

↑ スバルレガシーランカスター、この辺りからクロスオーバーしてきた記念すべきモデル、随分と新鮮に思えたものだ、画像はネット上から拝借


これらの車が受け入れられた背景にはどんな事があるのだろうか?
最初に四駆ブームが来た時に、同時にアウトドアのブームも来てキャンプ等のアウトドアの遊びがより一般的になった事も関係していると思うだ。
それまでのキャンプは、かなりのアウトドア好き者の楽しみであった。オートキャンプという言葉が出来て、車をテントサイトに横付けできるオートキャンプ場の登場がファミリーでのキャンプを一般的にした。
今ではホームセンターに行けばコールマンのファミリー用のテントは必ず置いてあるだろう。それまでは家型で布製のテントだったので運搬も設営もかなりの重労働だった。雨が降ればかなり悲惨な事態になったものだ。

こういった背景もありワゴンボディーのクロスオーバー車が受け入れられていったと思う。つまり、アウトドアというキーワード、多少の不整地も走れる走行性能、荷物の積載能力と言った事柄が人々の趣向と見事に一致したということだろう。
ワゴンボディーもこういった形であれば、業務用の車と間違われる事も無く、周囲の目を気にしないで済むという事もある。
日常使いなのだが非日常も含んだ欲張りな車なのだ。

さらにワゴンボディーのクロスオーバー車は日常使いには便利なサイズだ。車高もクロカン四駆ほど高くないので街中でも駐車に困る事はない。運転感覚も全く普通の車と同じである。

最近のクロスオーバーはライトクロカンなのかワゴンなのか?よく分からない車も多い。そんな区別をする事自体がナンセンスな事なのだろう。しばらくはクロスオーバーから目が離せない。


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今さらながらのクロスオーバー考

ここのところクロスオーバーが世界的に注目だ。

一昔前まではクロカン四駆しかなかったというのが現実だろう。その無骨なクロカン四駆を徐々に日常使いにして行き、普通のセダンのように必要な装備をしていった。
また日常使いに耐えれるような乗り心地やハンドリングを与えた事により市民権を得たわけだ。

一時期はライトクロカンとか呼ばれて基準はやはりクロカン四駆だった。確かに悪路の走破性等は通常の車よりもあったが乗用車としての性能は酷い車だった。

時は進み車高の高い車でもコーナリング性能の改善が進み、通常の車との差は少なくなって来た。勿論、これは常識的な速度域でのお話ではあるが目を見張るものがある。一昔前は移動の際にコーナリング性能の悪い四駆をいかに速く走らせるかが一つのテクニックでもあった。

またトラクションについては元々四駆の得意とするところであり、当初はサスペンションの動きを工夫する事から始まり、最近では高度な電子制御技術と共に発達してきた。これにはABSは勿論の事、トラクション制御(前後左右のトルク配分を含む)、横滑り制御、LSD効果までてんこ盛りの状態である。

↑ 個人的にはクロスオーバーの最高峰だと思う新型「レンジローバー」、速いし快適だし言うこと無しな車の1台だ、デザインもトレンドを作り出していて各社が参考にするデザイン、画像はニューヨークショー時のものメーカーサイトより拝借


こんな現代のクロスオーバーだが主なフィールドは舗装路だ。日本においては未舗装路を探すほうが骨が折れる。そして決定的なのは皆がクロカン四駆のような使い方をするわけでは無いという事なのだ。こういう事もあり最近では大口径ホイールの装着が進み、18インチや19インチが純正装着ホイールとなっている。

しかし、日本以外に目を向けてみるとあながちそうも言えないのである。ヨーロッパやアメリカではまだ未舗装路が皆無ではないし、それ以外の国々では未舗装路は沢山あるのだ。

車が成熟した国にはクロスオーバーとして、未舗装路が残る国にはライトクロカンとして売る事ができる。まことに車メーカーにとっては都合の良い車である。

それに使う側だって魅力が一杯だ。車高が高いので見晴らしが良い、悪天候時や悪路も安心して走れる、荷物の積載能力も高い。これに環境性能がプラスされればもう敵は無いのでは無いだろうか。
こうして付加価値がオンされて結構高い買い物になってはいるが魅力的な車である事は間違いない。しばらく目が離せないジャンルである。

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