ランクル70の復活と取り巻く環境、肝心なその走りはどうなのか?

2014/9/18
最近のニュースとして、ランクル70が国内に復活するという記事を読んだ方も多いだろう。

ランクル70自体は世界中に輸出されるグローバルカーだ。厳しい環境での使用に関しては右に出る車が無いのが現状だろう。メンテナンスさえキチンと行えば耐久性も高く構造もシンプルだ。エンジンは本来4.2L直6ディーゼルと4.5LのV6ディーゼル、4.0LのV6ガソリンのラインアップがあるが今回の国内販売はガソリンエンジンのみとなる。排気量があるだけにやはり燃費は悪く6.6km/Lとなっている。はっきり言って環境とお財布には優しくない。



↑ ランクル70のダート走行画像、外観は以前のランクル70よりも丸くなってしまったが十分四角い、サイズは全長4,810mm×全幅1,870mm×全高1,920mm、エンジンはV6の4.0Lガソリンエンジン231ps/36.7kgmでトルク重視型、メーカーオプションでウィンチも装備できる、ダート走行を前面に打ち出しているのは今時非常に新鮮だ、画像はメーカーサイトより拝借




ランクル70はトヨタ車体の国内工場で月に6500台が製造され、そのうち200台が国内販売に割り当てられる。今回の限定販売は実は法規制的な理由もあるようで、2015年6月に後方からの衝突規制が厳しくなる見込みで現在のボディーでは対応できなくなる。ということはその時期に新型のランクル70が登場するということかもしれない。


↑ ランクル70のピックアップボディー画像、今回国内復刻のランクル70はバン型とピックアップ型の2種のボディー形状がある、こちらの方は幅が狭く長い、サイズは全長5,270mm×全幅1,770mm×全高1,950mmとなる、かなり長いので取り回しには気を付けた方が良いだろう、画像はメーカーサイトより拝借



1980年代後半から90年代にかけて日本で4WDブームがあった。当時TomTomは70プラドに乗っていて、サスペンションが前後リジットだがコイルになっているのがお気に入りだった。このプラドという車はランクル70をベースにサスペンションをコイルにし、3または5ナンバー登録の車としてランクルから派生した車だったのだ。確かエンジンは2.4Lディーゼルターボで非力だったが、普通の利用には不便を感じないレベルだった。
この70プラドとは対照的に当時のランクル70は、1または4ナンバーで前後リーフリジットで非常にハードな車だった。それこそ質実剛健という言葉がピッタリだった。

↑ 70プラド、ランクル70からの派生モデルだが少しだけ乗用車ライクなテイストだった、前後コイル式のリジットサスペンションで乗り心地も良かった、2.4Lのディーゼルターボだが少々非力だったが実用上は問題無いレベル、なかなか良いクルマだった、画像はネット上から拝借




今回のランクル70もサスペンションは前後リジットだが、フロントはコイル、リアはリーフとなっていて少しは進化しているようだ。海外向けに継続して生産されている訳だが、世界にはこういったランクル70を必要としている地域が沢山ある。日本でも国内販売がされていないのでオーストラリア仕様の右ハンドルのランクル70を逆輸入しているショップもある。これがまた魅力的なオプションがありシュノーケルを選択できるようだ。やはり未開の地へ行くと渡河する機会が多いのだろう、シュノーケルは結構ポピュラーな装備のようだ。

さてそんなランクル70だがメディアの試乗記が出ている。それによると乗り心地は昔のランクルを髣髴とさせるような4WD独特の乗り心地のようだ。本格的な4WD車は車重が重かったり、ダートを走ることを前提としているためサスペンションのコンプライアンスをタップリと取ってある。するとロードカーとは異なった味付けになることが多い。つまり反応が鈍くてゆったりとしているのだ。現代の車に慣れていると非常にダルに感じてしまうのではなかろうか。でもこれが本来の4WD車の姿なのだ。古き良きと言ってしまえばそれまでだが、4WD車らしいテイストになっているようだ。
これもまた経験上の事だが、4WD車にはLSDは意味が無い。4WD車でダートにおいてトラクションを稼ぐ場合、ゆっくりとだが方輪が浮いてしまうような時に必要なのはLSDではなくデフロックなのだ。いすゞのビッグホーンにLSDを入れて乗っていたことがあるが、低速では全く無意味だった。片輪が浮いてしまうような時には全く役に立たない。そういう意味ではランクル70はキチンと押さえるべきポイントは押さえているのだ。価格は350万円からで相当高価な車だが本格的にダートを走るには最高の車なのだ、そして独特の世界観を創り上げている車なのだ。


今回はこのへんで

では


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